楽天エースから守護神、そして巨人へ|則本昂大の転向理由と現在
東北楽天ゴールデンイーグルスの絶対的エースとしてパ・リーグを席巻し、8試合連続2桁奪三振というNPB歴代記録を打ち立てた則本昂大。長年にわたり先発陣の柱として君臨してきた剛腕が、2024年に下した「クローザー転向」の衝撃は球界全体を大きく揺るがしました。奪三振マシンとして牙を剥いていた男が、なぜ最後の1イニングを託される守護神となり、さらには新天地・読売ジャイアンツへの移籍というキャリアの転換点を迎えたのでしょうか。
グラウンド上の劇的な配置転換だけでなく、複数年契約の節目や年俸推移、さらには私生活をめぐる過去の報道に至るまで、ファンや野球関係者の関心は尽きません。本稿では、則本昂大が辿ってきた変革の歩み、抑え転向に隠された舞台裏、そして現在地と今後の去就に至るまで、現場のデータや取材報道をもとに徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:松井裕樹のメジャー移籍に伴う球団の緊急事態を受け、首脳陣の打診に意気に感じてクローザーへ電撃転向。1年目から最多セーブ投手のタイトルを獲得して見事に適応。
- 要点2:先発時代の球数配分から「1イニング限定の全力投球」へとスタイルを純化させ、最速158km/hの直球とキレ味鋭いフォーク・スライダーを武器に圧倒的な奪三振率を維持。
- 要点3:楽天との大型契約満了を経て巨人にFA移籍を果たし、円熟味を増したリリーバーとしてセ・パ両リーグでの完全燃焼を目指す挑戦を継続中。
【2026年最新動向】楽天の絶対的エースから守護神、そして巨人移籍へ
2012年のドラフト2位で三重中京大学から東北楽天ゴールデンイーグルスに入団して以来、則本昂大はルーキーイヤーから開幕投手を務め、チーム初の日本一に大きく貢献しました。その後も5年連続奪三振王に輝くなど、名実ともにイーグルスを象徴する大黒柱として球史に名を刻んできました。
大きな転機が訪れたのはプロ12年目を迎えた2024年シーズンです。長年ブルペンの絶対的守護神として君臨していた松井裕樹がサンディエゴ・パドレスへポスティング移籍したことで、楽天投手陣には致命的な「9回の穴」が生じました。この緊急事態を受け、当時の今江敏晃監督率いる首脳陣は、先発完投型として実績を積み上げてきた則本に対して抑えへの配置転換を打診。則本はこの過酷な使命を正面から引き受け、見事にブルペンのリーダーへと変貌を遂げました。
転向初年度となった2024年、則本は自己最多となる56試合に登板し、32セーブ、防御率3.46をマーク。パ・リーグの最多セーブ投手のタイトルを獲得し、配置転換初年度にして最高峰の結果を残しました。そして大型契約が満了を迎えた節目に国内FA権を行使し、読売ジャイアンツへ電撃移籍。セ・リーグのブルペンを支えるキーマンとして、その剛腕は現在も衰えを知りません。

劇的な抑え転向の真相|先発エースがブルペン入りを決断した決定打
プロ通算100勝以上を挙げ、完投能力の高さでチームを牽引してきた大エースが、なぜ30代半ばを前にしてクローザー転向を受け入れたのか。その背景には、チームの構造的危機と則本自身のプロフェッショナリズムが複雑に絡み合っていました。
球団関係者の証言や当時の首脳陣の明かした経緯によると、今江監督は就任直後から「勝てるチームを作るための最大のピースは確固たるクローザーの確立」と位置づけていました。しかし、実績のある外部補強や若手抜擢には不確定要素が多すぎたため、チームで最もハートが強く、修羅場をくぐり抜けてきた則本に白羽の矢が立ちました。則本自身、当初は先発への強い愛着を抱いていたものの、特番インタビューなどで「チームが勝つために一番必要とされる場所があるなら、そこで腕を振るのが自分の役割」と語り、エゴを捨ててフォア・ザ・チームに徹する道を選択しました。
抑え転向に伴い、登板時のルーティンやギアチェンジの感覚も一変しました。試合終盤、本拠地のスタジアムに大音量で流れる登場曲(ONE OK ROCKなどの疾走感あふれるロックナンバー)とともにリリーフカーから降り立つ姿は、杜の都の新たな名物として定着。先発時代のようにペース配分を意識することなく、最初のアウトから最後のアウトまで初球から100%の力で腕を振る姿に、ファンの熱狂は最高潮に達しました。
投球スタイルも劇的に変化しました。先発時代は多彩な変化球を駆使して打者の目先を変える投球術を身につけていましたが、リリーフ転向後は平均球速150km/hを超える唸るようなストレートと、落差の鋭いフォークボール、カウントを奪うスライダーのコンビネーションへ投球を純化。短いイニングで打者を圧倒するパワーピッチャーへと回帰したのです。
【データ徹底比較】先発時代とクローザー転向後の成績・年俸推移
則本昂大のキャリアを語る上で欠かせないのが、先発エース時代、守護神転向期、そして移籍期における圧倒的な数字の推移です。客観的指標をもとに、そのパフォーマンスの変遷を整理します。
| 項目 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 先発最盛期(2014〜2018年) | 5年連続奪三振王 8試合連続2桁奪三振(NPB新) 通算防御率3点台前半 | 奪三振率(K/9)8.5以上で一流 | 年間200イニング前後を消化しつつ奪三振率10点台を連発。平成末期を代表する絶対的エース。 |
| クローザー転向期(2024年〜) | 自己最多56試合登板 32セーブ(最多セーブ投手獲得) 奪三振率10.5前後 | 30セーブ到達で名クローザー | 配置転換初年度でのセーブ王獲得は快挙。9回特有の重圧を乗り越えた精神力が高く評価される。 |
| 年俸推移 | 2019年から7年契約(年俸3億円+出来高) 移籍後もトップクラスの評価を維持 | 国内トップ投手の相場:3〜5億円規模 | 長期大型契約を全うした上で実績を残し、FA市場でも最高クラスのリリーバー評価を獲得。 |
| 球種・配球バランス | 直球(最速158km/h) フォーク、スライダー、チェンジアップ、カーブ | 抑えは直球+決め球1〜2球種が主流 | 先発時代の豊富な引き出しを保持しつつ、短イニングでは直球とフォークに絞る剛軟自在の配球。 |

私生活を巡る噂の真偽|妻との離婚・再婚報道と家族の真相
則本昂大を語る際、避けて通れないのが過去に週刊誌を賑わせた私生活のトラブルや家庭環境に関する報道です。2021年春、一部週刊誌によって「高校時代のマネージャーであった元妻との離婚」および「別の女性との不倫関係・再婚・子どもの誕生」が報じられました。
報道当時、ネット上やSNSでは厳しい批判の声が巻き起こり、クリーンなイメージを持っていたファン層には少なからぬ動揺が広がりました。元妻との間にもうけた2人の子どもに対する養育費の問題や、新たな家族との生活設計については様々な憶測が飛び交いましたが、則本自身はグラウンド外での過剰な弁明を避け、公の場では野球選手として結果を出し続けることに集中する道を選びました。
実生活において、プロ野球選手という極度の緊張を強いられる職業と私生活のバランスを保つことは容易ではありません。心理的バウンダリー(境界線)の揺らぎや家族関係の破綻は、多くのトップアスリートが直面する構造的な課題でもあります。則本はその後、公私にわたる激しい逆風にさらされながらも、弟である則本佳樹(元楽天育成投手)ら身内の支えや新たな家庭への責任感を胸に、マウンドで自らの存在証明を果たす姿勢を崩しませんでした。
【実態検証】ネットの反応とファンの評価|賛否渦巻いた配置転換のリアル
先発から抑えへの転向、そしてFAによる巨人移籍という一連の流れについて、ファンの間ではどのような議論が交わされていたのでしょうか。SNS、ネット掲示板、球場周辺のファンの声を分析すると、ファンの心理は複雑に揺れ動いていました。
まず、クローザー転向当初のネット上の反応は「先発としての則本をまだ見ていたい」「スタミナが切れたわけではないのに勿体ない」という惜別の声と、「松井裕樹の抜けた穴を埋められるのはノリしかいない」「気迫あふれる投球は9回にこそ似合う」という期待の声に二分されました。特に、得点圏に走者を背負いながらも渾身の雄叫びとともに三振を奪い、ガッツポーズを繰り出す姿は、往年のファンを熱狂させました。
一方で、読売ジャイアンツへのFA移籍に際しては、楽天ファンから「東北を長年支えてくれた大功労者。新天地でも頑張ってほしい」という温かいエールが送られると同時に、「やはり生え抜きのエースには仙台で現役を終えてほしかった」という寂しさを吐露する意見も多く見られました。対する巨人ファンからは「ブルペンの厚みを一気に引き上げてくれる最強のピース」「修羅場を知り尽くしたベテランの加入は頼もしすぎる」と、熱狂的な歓迎の声が上がっています。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|「先発限界説」のウソ
ネット上の言説の中には、「則本昂大は先発として通用しなくなったから抑えに回されたのではないか」という穿った見方が一部に存在します。しかし、これはセイバーメトリクスの客観的データや現場の実情を無視した完全な誤解です。
抑え転向直前のシーズンにおいても、則本のクオリティ・スタート(QS)率や奪三振能力はパ・リーグ先発陣の中で依然として上位に位置していました。配置転換の真の理由は、「先発陣の余力」と「救援陣の決定的なコマ不足」というチーム全体の戦力バランスの偏りにありました。もし先発としての限界が理由であれば、移籍市場において読売ジャイアンツをはじめとする強豪球団が巨額の条件を提示して獲得に動くはずがありません。
また、年齢による衰えを懸念する声に対しても、則本は短イニング登板による出力の最大化で回答を出しました。投球フォームの無駄を削ぎ落とし、初球からトップギアに入る調整法を確立したことで、被打率の低減と空振り奪取率(Whiff%)の向上を実現させています。役割を変えることで自らの選手生命をアップデートさせた好例と言えます。
【プロの結論】組織の危機管理とベテランのキャリア再定義に見る教訓
則本昂大の歩みから得られる最大の教訓は、「既得権益や過去の実績にしがみつかず、組織の存亡をかけた要請に対して自らを柔軟に変革できるか」というキャリア論の本質です。
多くのプロフェッショナルは、自らが長年築き上げてきた専門領域(先発投手というステータス)を手放すことに強い心理的抵抗を感じます。これは心理学でいう「役割同一性の固執」であり、組織の危機に直面した際に行動が遅れる主要因となります。しかし則本は、組織の最大の弱点となったクローザーという重責を敢えて引き受け、そのポジションでタイトルを獲得することで自らの市場価値を再定義しました。
私生活における激動や世論の批判を乗り越え、結果を出すことでしか周囲を納得させられないプロスポーツの過酷な世界において、則本が見せた適応能力と覚悟は、ビジネスパーソンが変革期を生き抜く上でも極めて示唆に富むケーススタディと言えるでしょう。
【楽天 則 本】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:則本昂大投手が楽天の先発から抑えに転向した本当の理由は?
A1:長年クローザーを務めていた松井裕樹投手のMLB(パドレス)移籍により、チームに生じた決定的な守護神不在の穴を埋めるためです。首脳陣からの熱烈な打診に対し、則本投手が「チームの勝利のために最も必要な場所で投げる」と決断したことが最大の要因です。
Q2:現在の所属球団と背番号、FA移籍の経緯は?
A2:楽天との7年大型契約を満了後、国内FA権を行使して読売ジャイアンツへ移籍しました。現在も強力なブルペン陣の一角として、試合終盤の重要な局面を任されています。
Q3:現在の球速や持ち球(球種)、登場曲の特徴は?
A3:最速158km/hを誇るストレートと落差の大きいフォークボール、鋭いスライダーが主軸です。抑え転向後は短いイニングでの出力を最大化させています。登場曲にはONE OK ROCKなどの力強いロックサウンドを採用し、スタジアムのボルテージを一気に引き上げる演出がお馴染みです。
Q4:過去に報じられた離婚や再婚、家族の報道は現在どうなっている?
A4:2021年に元妻との離婚および新たなパートナーとの再婚・子どもの誕生が報じられました。当時は賛否両論が巻き起こりましたが、則本投手はその後も野球に真摯に向き合い、家庭への責任を果たしながらグラウンドでの結果で信頼を取り戻しています。
まとめ:波乱のキャリアを切り拓く則本昂大が示す不屈の存在感
東北楽天ゴールデンイーグルスの絶対的エースから、杜の都を守る守護神へ、そして読売ジャイアンツという伝統球団の勝負どころを締めるリリーバーへ。則本昂大が歩んできたキャリアは、常に平坦な道ばかりではありませんでした。私生活での激震やファンからの厳しい視線にさらされながらも、マウンドに立てば常に全身全霊で打者に立ち向かい、雄叫びを上げて勝利をもぎ取ってきました。
先発としてNPB史に残る大記録を打ち立て、抑えとしてもタイトルホルダーに上り詰めた剛腕は、新天地でもその闘志を燃やし続けています。己の置かれた場所で咲く覚悟を持った不屈の右腕が、今後どのような伝説を紡ぎ出していくのか。その一球一球から、今後も目が離せません。 (出典: 楽天 則 本(Yahoo!ニュース))